2017年12月14日 第50号

 ナショナル・ジオグラフィックのカナダ人フォトジャーナリストで、海を守る活動団体シーレガシーの共同創設者ポール・ニックレンさんのビデオ映像が話題となっている。餓死寸前と思われる痩せこけたホッキョクグマが餌を探す映像に衝撃が走った。これはカナダのヌナブト準州バフィン・アイランド付近で今年7月にシーレガシーによって撮影されたもので、環境問題の重大さを伝えている。

 映像は12月5日にインターネットで公開され、すでに1万回もの視聴があるという。ニックレンさんは「見るに堪えない映像」とコメントを添え、早急に対策を講じる必要性を訴えた。

 ホッキョクグマについては、マニトバ州北部での調査で1980年代から比べると約3分の1に減少していることが分かっている。科学者の中にはこれから100年から150年で絶滅する可能性があると警鐘を鳴らしている人もいる。シーレガシーはこうした事態となった原因の一つに、地球温暖化をあげている。地球の気温が上昇し、北極の氷の融解が進んでいるため、ホッキョクグマが冬に十分にエサをとれる期間が減っているとみている。

 今回撮影された映像に映っているホッキョクグマについて、ケガや高齢が原因の可能性もあるとも言われているが、地球温暖化について温室効果ガス排出量削減などの対策が早急に必要、とシーレガシー共同創設者クリスティナ・ミッターメイアさんは訴えている。

 

 

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