2017年9月7日 第36号

 サスカチワン州サスカツーン市の彫刻家が参加した彫刻家グループが、ドイツ・デュースブルグで世界記録となる砂の城を完成させた。

 この企画はドイツ・デュッセルドルフ市在住で、芸術的イベントを手掛けるベンノ・リンデルさんによるもの。大手旅行会社シャウインスラント・ライゼンがスポンサーとなっている。制作のために編成された15 人のチームには、オランダ、ウクライナ、ポルトガル、ハンガリー、イタリアからの彫刻家のほかに、カナダからパトリシア・リゲンさんが参加した。

 デュースブルク市の川沿いにある、旧工業地帯の一角に運び込まれた砂の量は3500トン。これをベニヤ板で組まれた型枠に流し込んで固めていき、最終的に16.7メートルの砂の城に作り上げた。リゲンさんが担当したのは、城の土台部分にあしらわれた横4メートル、縦2メートルにおよぶ巨大なカメ。さらにカメの下には多くの卵と、いくつかの卵からは孵化したばかりに子ガメも加えられた。彼女は参加した8日間、毎日8 時間砂を盛ったり彫ったりし続けてきたという。

 この高さは、前年にインドで作成された砂の城が持つ記録を2メートル上回り、8月31日にはギネス世界記録に登録され、正式に世界一となった。この様子を見ようと、当日会場には18 万人もの人が集まった。

 またリゲンさんいわく、インドの砂の城はこの城のように細かい彫刻がなされているわけではなく、芸術的評価は高くなかったと指摘する。城の制作中、多くの人からは何か特別な砂でも使っているのかとか、普通の砂でここまでできるとは信じられないといった感嘆の声が聞かれたという。

 この砂の城は1カ月ほど展示された後、崩される予定となっている。リゲンさんは、砂の城ができあがっていく様子を、人々の前で見せながら制作できたことがうれしかったと取材に語っている。

 

 

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