2017年8月31日 第35号
連邦上告裁判所は8月29日、キンダーモーガン社のトランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画に対する一連の法的異議申し立てにブリティッシュ・コロンビア州政府が介入することを承認した。
連邦自由党政権とBC州前自由党政権がすでに承認している同計画には、先住民族や環境活動家らがそれぞれに19件の法的意義申し立てを行っていた。これを1件として統合し、今年10月2日から13日に口頭弁論が行われる予定になっている。
ここにBC州政府も介入できることになった。介入を申請する当初の締め切りは今年4月13日だったが、それまでに自由党前政権は申請しなかった。しかし締切日前にBC州選挙が公示され、新民主党(NDP)新政権となったため、8月22日新政府が申請し承認された。しかし裁判所は新政権誕生から5週間も経ってからの申請について苦言を呈している。
さらに遅い承認であっても、口頭弁論の予定は変更されることはなく、BC州政府に予定通りの対応を求めている。アルバータ州はすでに介入への承認を得ている。
トランスマウンテン・パイプライン拡張工事計画は、アルバータ州からBC州バーナビー市までオイルサンドを運ぶパイプラインを拡張する74億ドルの事業計画。アジア市場への輸出を視野に入れた計画で、完成すれば輸送量は3倍になる。しかし、バンクーバー付近を航行するタンカー量が7倍になることや、オイル漏れなどによる環境への影響などから、BC州では反対派が多い。