2017年7月20日 第29号
オンタリオ州トロントにあるフードマーケット内の菓子店で、ネズミが菓子をかじっている動画がインターネット上に投稿されたことがきっかけとなり、このマーケット全体が17日、当局によって営業停止処分を受けた。
この市場は同市中心部、クィーン通りウェストに面したクィーン・ライブ・フレッシュ・フード・マーケット。同マーケット内にある菓子店、メリ・バクラバ・アンド・チョコレート・バーの展示棚で、ネズミ2匹が置いてあった菓子の入ったトレーに登り、菓子をかじっている様子を通行人が窓越しに撮影した。なお店は営業時間外で、中に人はいなかった。
この動画が15日インターネット上に投稿されたことから、トロント市公衆保健局の検査官が17日に立ち入り検査を行った。その結果、この店を含むマーケット内の5店舗でネズミによる食品のダメージが確認されたことから、同日のうちに全店を営業停止処分とした。
菓子店の共同オーナーの一人は、ネズミの問題は以前からあり、市場の入っているビルディングが古いことが、そもそもの原因だと取材に話している。このビルディングは以前はセント・パトリック市場と呼ばれており、1854年に建てられたもの。1920年代から80年代までは、屠殺から精肉までを行う鶏肉精肉店が入っていた。
このオーナーによると、以前のネズミ被害は約2年前に発生し、その時には専門業者による駆除が行われ、それ以後は今月初めになるまでネズミの姿は見なかったという。また同店の菓子は隣町のスカボローにある工場で生産され、この店では小売りしか行っていない、動画でネズミがかじっていたのは、窓際に置いたディスプレー用商品で、販売しないものだったと取材に説明、これらはすでに廃棄処分されたし、販売用の菓子類はキャビネットなどに保管されていると付け加えている。
その一方で、今回の事件で店の信用が失われてしまい、小さな家族経営の同店にとっては大きな痛手になったと語っている。