2017年7月13日 第28号
トロント不動産協会は6日、6月の住宅販売数が前年同月比で37・3パーセント減少したと発表。一方で平均価格は6・3パーセント上昇し、79万3915ドルだった。ただ価格は前年同月比で14・9パーセント上昇した5月よりも上昇幅は緩やかになっている。
6月に新たに売り物件としてリストされた件数は前年同月比で15・9パーセント増加。それでも5月の48・9パーセントよりは落ち着きを見せている。
こうした動きの要因の一つは、オンタリオ州政府が4月に導入した海外購入者税で、すでに価格のピークを迎えたとの思惑から売りに出す人が増えているのではないかとみられている。一方で、買い手側はオンタリオ州政府の政策がどのような影響を与えるのかとりあえず様子を見ているのではないか、とトロント不動産協会は分析している。
バンクーバーでは5日、グレーターバンクーバー不動産協会が6月の統計を発表。ベンチマーク価格は99万8700ドルで前月比1・8パーセント上昇、前年同月比で7・9パーセント上昇した。販売数は先月比で10・8パーセント減、前年同月比で11・5パーセント減だった。バンクーバーではコンドミニアムの需要が高く、価格は一軒家が前月比1・4パーセント上昇だったのに対し、コンドミニアムは17・6パーセントも上昇した。
BC州政府はメトロバンクーバーの物件を対象に海外購入者税を昨年8月に導入。それ以降、市場はやや落ち着いているようにみえるが、課税導入前の昨年前半の異常な高騰ぶりから少し落ち着いたに過ぎないとの見方もされている。
今後は、今週にも引き上げられると予想されているカナダ銀行の金利の影響が、どのように出てくるのかが注目されている。これまでカナダ銀行は2015年以降0・5パーセントという超低金利を実施してきたが、金利が引き上げられれば住宅ローンにも影響が出ると予測されている。