2017年7月13日 第28号

 連邦新民主党(NDP)の党首選に立候補していたピーター・ジュリアン議員が党首選からの撤退を7日表明した。記者会見では資金不足が理由と語った。

 ジュリアン議員はブリティッシュ・コロンビア州ニューウエストミンスター‐バーナビー選挙区選出。一番乗りで今年2月に立候補を表明し、BC州からの党首誕生を狙った。

 しかし、資金集めが思うようにいかなかったと記者会見で明かした。「党員からの支援を測る物差しの一つに金銭的な支援がある」と述べ、現時点で必要額よりもはるかに少ない金額しか集まっておらず、これも党員の意思表示の一つとして「党員の判断を、この時点で受け入れた」と語った。

 評論家は、ジュリアン議員が立候補を表明して以降、BC州では州議会議員選挙が政治的話題の中心で、なかなか連邦NDPの党首選に注目が集まらなかったことも、ジュリアン議員にとっては不運だったと解説した。

 資金的には不足していたが、党内議員からの支持は最も多く、6議員がジュリアン議員の支持を表明していた。うち5人はケベック州議員。これらの議員の支持が、どの候補に回るかにも今後は注目が集まる。

 ジュリアン議員は、公約として高等教育の無償化、住宅価格の是正、パイプライン建設反対を訴えていた。特にパイプライン建設反対は、ジュリアン議員の影響で現在全候補の公約にもなっている。

 これで立候補者は、ニッキー・アシュトン、チャーリー・アンガス、ガイ・キャロンの連邦NDP3議員と、オンタリオ州議会NDPジャグミート・シン議員の4人となった。

 NDPは2015年10月の総選挙で野党第一党から第二党転落。トーマス・マルケア党首交代を党大会で決定し、今年に入って本格的な党首選に突入した。次期党首は今年10月1日に発表される。

 

 

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