2017年6月1日 第22号

 オンタリオ州トロント近郊の病院から5月27日深夜、止めてあった救急車に男が乗り込み逃走した。通報を受けた警察が追跡を開始、約5時間後に犯人を逮捕した。

 事件が起こったのは、トロントの西100キロメートルほどにある人口約13万人の都市ケンブリッジの、ケンブリッジ記念病院。ちょうど深夜ごろ、キーが付いたままだった救急車に男が突然乗り込み、看板をなぎ倒しながら車を急発進させた。そばに救急隊員はいたものの、男が隠れていたことには救急車が走り出すまで気が付かなかったという。

 同地域を管轄するウォータールー警察のパトカーがやがて、高速401号線をトロント方面に向かう同車両を発見。男はサイレンを鳴らしながら不規則な運転をしていたという。その後も東進を続ける救急車の追跡は、オンタリオ州警察が引き継ぎ、何度か車の停止を試みたものの、うまくいかなかった。車はやがて北に転進、トロントの北の街ニューマーケットを午前2時前に通過する際、ヨーク郡警察も救急車の停止を試みるも失敗に終わった。

 さらに国道10号線を北上し続けた車は、ジョージアン湾の南岸に到達、国道26号線を東進。沿岸の町ワサガ・ビーチに差し掛かったところで、警察が設置した車両停止装置(スパイク・ベルト)によりタイヤがパンクさせられ、ついに停止したのは、午前6時半すぎのことだった。警察は運転していた男を、危険運転行為、窃盗、および警察の制止を無視した容疑で逮捕した。

 オンタリオ州警察によると、この男は29歳で住所不定とのこと。また5時間にわたるカーチェイスが、交通量の少ない深夜から未明にかけて起こったことは、不幸中の幸いだったと語っている。

 

 

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