2017年6月1日 第22号

 オンタリオ州北部で5月17日、熊猟に出かけていたハンターが、クマに襲われた。またその時の様子を捉えた、彼が身に着けていたカメラの動画がインターネット上で公開された。

 狩猟用アーチェリーで熊猟を行っていたのは、リチャード・ウィーズリーさん。同州北部、ティミンズとサンダーベイの中間あたりにある、人口約5千人の町ハーストの近くの林道で、ブラック・ベアーと遭遇した。

 この時の様子を捉えた動画を見ると、林道わきの倒木の間にしゃがみこんでいたウィーズリーさんに気が付いた熊は、最初は立ち止まって様子をうかがっていたようだが、やがて彼を目がけて全速力で迫ってきた。

 そのスピードはあまりに早く、構えていた弓に矢をつがえる間もなかったウィーズリーさんは立ち上がり、低い唸り声をあげて威嚇したものの、その直後熊に張り倒された。しかし何とか熊を追い払うことができたウィーズリーさんは、ひじに打撲を負っただけですんだ。

 メディアの取材に対しウィーズリーさんは、普通の熊だと人間の脅し声を聞けば、きびすを返して逃げ出すものだが、この熊は違ったと話している。また、あとから動画を見直してみると、自分が威嚇のために低い声を上げたのは、熊に戦いを挑んでいるようで最善の方法ではなかったと付け加えている。

 ウィーズリーさんは、襲ってくるときの熊の予想以上の速さを多くの人に教訓として伝えたいと思い、インターネット上の気象情報のサイトに、この動画を公開したと、彼自身が動画の中で語っている。

 

 

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