2017年5月25日 第21号

 ブリティッシュ・コロンビア州で22日から投票の再集計が始まった。BC州では今月9日に州議会議員選挙の投開票が行われたが、BC選挙管理委員会は2選挙区の再集計を決定。未集計の不在者投票17万6千票と合わせて22日から3日間で行うと投開票翌日に発表した。

 再集計されているのは、新民主党(NDP)候補がわずか9票差上回ったバンクーバー島のクートニー‐コモックス選挙区と、560票差で自由党候補だったバンクーバー‐フォールス・クリーク選挙区。結果次第では議席数に変化が出るため、全国の注目が集まっている。

 9日の投開票では、自由党が43議席、NDPが41議席、グリーン党3議席を獲得。87議席中44議席で多数派政権となるため、このままの結果では1953年以来の少数派政権が誕生することになる。そして議会でカギを握るのが、わずか3議席のグリーン党という構図が成立する。

 9日の選挙結果後、自由党クリスティ・クラーク党首、NDPジョン・ホーガン党首ともにグリーン党アンドリュー・ウィーバー党首と話し合いを持ち、自分の党が少しでも有利になるよう働きかけている。

 NDP・グリーンの連立もあり得るとの予測もあったが、ウィーバー党首は、連立を組むことは構想にないと記者会見で明言し、政策によって協力できる党を決めていくとしている。

 グリーン党の政策は自由党政策とは反対の立場が多く、もし仮にグリーン党がNDPの政策に賛成すれば、環境問題対策では州内だけでなく連邦、他州にも大きな影響を与える。

 特に、昨年、連邦政府が承認した、アルバータ州からBC州バーナビー市までのトランスマウンテン・パイプライン拡張計画は、グリーン党もNDPも反対の立場を取り、承認撤回を公約として掲げた。この政策で2党が組めば、同パイプライン計画の先行きが不透明になる。

 最終結果が発表されるのは24日。23日終了時点で、クートニー‐コモックス選挙区はNDPがリードしている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。