2017年5月18日 第20号

 サスカチワン州レジャイナに住むザカリー・ネンソンさんは、6カ月をかけた南米旅行の途中だった。そんなネンソンさんのもとに、他人に貸していた自宅が大変なことになっていると、母親から連絡が入った。彼女は、すべての部屋の床も壁も叩き割られていると、その状況を伝えてきた。

 この知らせは、ネンソンさんにとっても寝耳に水だった。家を貸した住人は、レファレンスを電話で確認した時には、最適な借家人だと思えたからだ。しかし賃貸料を滞納したことがわかり、家の管理を任せていた母親に様子を見てもらうよう依頼した結果が、これだった。

 1カ月近く残っていた旅行を切り上げ、自宅に戻ったネンソンさんが目の当たりにした光景は、信じられないものだった。家には賃貸人はおろか、家具もほとんど盗まれ、残っていなかった。床も壁も壊され、ペンキがぶちまけられていたり、落書きされていた。トイレの便器は、粉々に砕け散っていた。

 修理や家具購入に、約4万ドルはかかるだろうとネンソンさん。警察に届け出たものの、目撃者がいない屋内で起こったことなので、立件は不可能だと言われた。また保険会社によると、こうしたテナントによる損害は、住宅保険ではカバーされないのが一般的だという。ネンソンさんは、賃貸に関する問題を扱う役所の窓口に出向き、何らかの補償が得られないか確認している。同時に、他の大家が自分と同じような目に遭わないよう、テナント選びの際には犯罪履歴調査も含め、念には念をいれるよう、メディアを通じ呼びかけている。

 

 

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