2017年4月27日 第17号

 実家に預けるために飛行機に乗せた愛犬が、実は全く違う行先の便に乗せられ、さらに、一時行方不明になるなど、飼い主は再会までに多大な苦労を強いられた。

 この飼い主は、ノバスコシア州ハリファックス在住のテリー・ピットマンさん。彼女とルームメートは、ジャマイカで行われる結婚式に翌週出席するため、19日午後にラブラドゥードルの愛犬クーパーをウェストジェットのニューファンドランド・ラブラドール州ディア・レーク行きの飛行機で送り出した。ところが、その日の真夜中過ぎ、クーパーはオンタリオ州ハミルトン空港に誤って届けられたと、航空会社から連絡が入った。

 さらに、空港職員がトイレのためにクーパーを檻から出した際に、クーパーが逃げ出したという第二報が彼女の元に届いた。ピットマンさんとルームメイトは、愛犬を探すべくすぐさまハミルトンへと向かった。ちなみに、この時の運賃はウェストジェットが負担している。今回のミスについて航空会社は、とても申し訳なさそうにして、クーパーの安全を最優先するとピットマンさんに語っていたというが、謝罪だけでは愛犬は戻ってこなかった。

 愛犬の失踪をソーシャルネットワークに書き込んだピットマンさんのもとには、やがて空港近辺の住民から連絡が届くようになった。こうした連絡の積み重ねでクーパーの足取りが明らかになるにつれ、次第に希望が沸いてきたとピットマンさん。その一方で彼女は、空港で保管されていた、クーパーを運んできた檻の扉を開けておいてほしいと航空会社に依頼。クーパーが慣れ親しんだ臭いのする檻に、ひょっとしたら戻ってくるかもしれないという期待からだった。職員が、そのように檻を置いていたところ、あろうことか何時間後かには檻は盗まれていた。

 それでも、地元の人のネットワークは24時間体制に近い状態でクーパーを追跡、21日早朝に確保に成功した。犬は空腹のみならず、前夜の豪雨のためずぶ濡れになって神経質になっていたが、それ以外は問題ない状態だったという。ピットマンさんは、地元の人たちの精力的な捜索活動に心から感謝していると取材に語っていた。

 

 

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