2017年4月27日 第17号

 オンタリオ州政府は20日、急騰するトロントの不動産市場への対策として、海外からの購入者に限り15パーセント課税する制度を導入すると発表。翌日から実施された。内容は昨年、ブリティッシュ・コロンビア州政府が導入したメトロ・バンクーバー不動産購入に対する海外購入者税に似ている。

 バンクーバーでは昨年8月に導入された海外購入者税以後は、住宅販売数が激減、価格もやや値下がりしている。今年3月の住宅価格は前年同月比で9パーセント減だったとカナダ不動産協会が発表した。

 オンタリオ州ではその他にも、賃貸住宅の賃貸料引上げ率制限の適用範囲拡大や、所有者がいるにもかかわらず居住者のいない住宅への課税など、合わせて16の政策を発表した。

 オンタリオ州キャサリーン・ウィン州首相は、住宅問題は「一つの政策で全てが解決できるような簡単な問題ではない」と語った。

 3月のトロントの住宅価格は前年同月比で33パーセント上昇。平均的な一軒家の平均価格が120万ドルとなり、不動産バブルの危険性が指摘されている。今月18日には、連邦政府ビル・モルノー財相、オンタリオ州チャールズ・ソーサ財相、トロント市ジョン・トーリー市長が、この件で緊急会合を持ったばかり。

 不動産価格急騰に警鐘を鳴らし続けているカナダ銀行スティーブン・ポロズ総裁は22日、オンタリオ州の対応に一定の評価を示し、需要が落ち着くのではと語った。

 

 

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