2017年4月27日 第17号

 ブリティッシュ・コロンビア州議会議員選挙は、選挙活動期間に入って2週間が経ち、批判の応酬が過熱している。

 連続政権を目指す自由党クリスティ・クラーク党首は、22日にサレーで行われたシーク教のバイサキ・フェスティバルに参加。カギとなる選挙区だけに南アジア出身者の立候補を強調した。23日にはダウンタンで開催されたバンクーバー・サンランに参加。州民目線をアピールした。

 さらに、24日はデルタ市を訪問。BC州木材関係企業で森林業の重要性を強調した。この日の会見では、野党新民主党(NDP)がアメリアの森林産業と関係の深いカナダの森林業者労働組合から67万2千ドルの献金を受け取っていることを批判。自由党がアメリカの製材会社から受け取っている献金とは質が違うと語った。自由党は、2005年から24万1千ドルをアメリカの製材会社から受け取っている。しかし、自由党はその企業からの献金でBC州民にとって不利になる政策はしないが、NDPはそうではないなど違いを強調した。

 自由党は国内外の企業から多額の献金を受け取り、その見返りに献金した企業を優先的に待遇していると批判されている。それでも献金について規制をするつもりはないと断言している。現在BC州は企業、労働組合、個人、さらには、国内外からも献金が受け取れる制度になっている。

 NDPジョン・ホーガン党首は政権を取った場合、企業、労働組合からの献金を禁止すると公約している。ただ、選挙までは巨額の献金で潤っている自由党に対抗するために、現在の制度を活用して献金を労働団体からも受け取っていると説明している。

 24日に政党政策を発表したグリーン党アンドリュー・ウィーバー党首は、個人献金以外の献金を禁止すると公約。炭素税、法人税、高所得者への課税を引き上げ、チャイルドケア、ヘルスケア、インフラに回すとしている。それでも4年目には黒字予算を実現できると試算している。

 現在、バンクーバー近郊の都市部ではNDPが、それ以外では自由党が有利と予想されている。ただグリーン党への支持率も伸びているため、現在1議席のグリーン党が、どこまで議席を伸ばせるかにも注目が集まっている。

 

 

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