2017年3月9日 第10号
現在、アルバータ州カルガリーに住むアブダルファタシュ・サボニさんが、シリアから難民としてカナダに到着したのは、1年1カ月前のことだった。
サボニさんは自宅の台所を利用して、天然素材の石鹸作りに余念がない。かつて彼はヨルダンやシリアで、2つの石鹸工場を経営していた。
天然素材と手作りであるため、工程は4〜5日かかるという。また、その表面にはサボニさんのかつての工場のエンブレムが押印されている。ちょうどアイスホッケーのパックほどの大きさの石鹸は、4つを1パックとして包装、リボンをかけて10ドルで販売する。サボニさんの長男も包装を手伝っているという。
彼らがカナダに来た時、この国の人々は自分たちを温かく迎え入れてくれたとサボニさん。そのお礼に何かをしたいと思ってきた彼は、かつての自分の仕事で、みんなに喜んでもらおうと考えた。
取材中、記者が石鹸の原料は何かと尋ねたとき、主原料がオリーブオイルであることは認めたものの、それ以外は企業秘密だと、サボニさんは笑顔で答えていた。