2017年3月2日 第9号

 連邦保守党党首選に向けた党首討論会が2月24日、オタワで開催された。今回はいつもの全員がステージで討論する形式から、グループ分けでの討論形式を導入。ヘルスケア、環境、天然資源開発、トランプ大統領、北米自由貿易協定(NAFTA)などカナダが抱える問題について議論を交わした。

 この日は1980年代に現在の保守党の基礎を築いたプレストン・マニング氏が講演。「トランプ信者のような人々の台頭への対抗策は、トランプ信仰否定ではない。本質を明確にできる党首が有権者をまとめ、否定的な政治的エネルギーを肯定的なものへと方向転換することだ」と語った。

 保守党党首選ではケリー・リーチ元労働相が、全移民に対して「カナダの価値」を審査する制度を導入すべきとして議論を巻き起こしている。リーチ議員のトランプ的政治手法には同党からも批判の声が上がっている。さらに28日には同議員は、自身の主張を動画で紹介した映像を発信。内容よりは、そのカメラ目線の不自然さにソーシャルネットワークが反応したが、移民対策についての主張を繰り返した。

 党首選のもう一つの注目オラリー氏は、24日の討論会には出席したものの、28日にエドモントンで開催された討論会へは「形式に納得いかない」として欠席した。しかし同日に討論会会場のすぐ近くでサポーターを集めて持論を展開した。エドモントンでの討論会は保守党公式のため、欠席した場合は1万ドルの罰金を科せられる。オラリー氏は個人の財源から支払うと発表している。

 このエドモントン討論会は英仏両語で開催された。他の立候補者は仏語が得意でないオラリー氏が逃げたと批判された。

 保守党党首は5月28日に決定する。

 

 

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