2017年3月2日 第9号

 ジャスティン・トルドー首相は2月22日、4選挙区での補欠選挙を実施すると発表。19日発表した1選挙区と合わせて5選挙区で4月3日に補欠選挙が行われる。

 自由党が2015年10月に政権を取って以降、初めてとなる選挙。首相に就任して1年半、トルドー首相への国民の評価が示される。

 補欠選挙が行われる選挙区は、元自由党議員の3選挙区と元保守党議員2選挙区。ケベック州セイント・ローレント選挙区はステファン・ディオン前外相の選挙区で、1月の内閣改造で欧州・ドイツ大使に任命された。オンタリオ州マーカム・ソーンヒル選挙区はジョン・マッカラム前移民相の選挙区。マッカラム前移民相も内閣改造で中国大使に任命され、議員を退いた。同州オタワ‐バニエ選挙区は元自由党モーリル・ベランガー元議員の選挙区。ベンラガー元議員はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症、ギリギリまで議員として活動していたが昨夏に死去。8月23日から空席となっていた。

 アルバータ州カルガリーヘリテージ選挙区は保守党スティーブン・ハーパー前首相の選挙区。2015年に保守党が大敗し党首を辞任したが、昨年議員を辞職した。同州カルガリーミンドナポール選挙区は保守党ジェイソン・ケニー元雇用社会開発相の選挙区。ケニー元雇用相は国会議員を辞職し、現在はアルバータ州進歩保守党党首選に立候補している。

 保守党は現在14人が立候補している党首選の真っ只中で、ローナ・アンブローズ暫定党首にとってこれが党首として最後の大仕事となる。

 ただ、自由党、保守党ともに、前回の選挙では得票率55パーセント以上という元閣僚級議員の選挙区だけに、どちらかの党が全議席を獲得するような大きな番狂わせはないのではとみられている。

 新民主党(NDP)も現在党首選が本格的に始まったばかりで、補欠選挙までにNDPが大きく躍進するということもないとみられている。

 

 

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