2017年2月16日 第7号

 ウィリアム・モルノー財務相の経済諮問委員会議長ドミニク・バートン氏は6日、アメリカ対策としてカナダ経済の構造改革が必要との報告書を発表した。

 カナダは輸出の75パーセントがアメリカと極端に依存している。トランプ大統領は、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しや国境税の導入などを主張しているが、報告書ではこれまで以上にアメリカとメキシコとの経済的な関係を強化していく必要があるとしている。その上で、中国、日本、インドとの自由貿易協定を進めていくことを提案し、貿易の多角化を推奨している。

 国内では、これまで戦力的な労働力として注目を浴びてこなかった、先住民族、低所得者、子育て中の女性、高齢者の積極的な労働市場参入を促す必要があると提案。教育や研修の充実や、子育て中の女性が働きやすい環境を整備するために連邦政府によるチャイルドケアプログラムの創設なども提案した。

 その他、工場の自動化による失職を防ぐための職業訓練や、成長企業への支援強化、農業・フード産業など、伸びしろのある産業を強化するなどが盛り込まれた。

 記者会見でバートン氏は、「カナダが巨大貿易国ではないことを認識し、自国の運命はもっと自国でコントロールする必要がある」とアメリカに左右されない貿易が必要と語った。

 

 

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