2017年2月16日 第7号

 食料品のパッケージやプラスチック袋など、環境に悪影響を与えるゴミの発生を極力抑える工夫をした店が増えてきている。

 ブリティッシュ・コロンビア州ソルトスプリング島に昨年オープンしたグリーン・ゼロ・ウェイスト・グロサリーは、カナダ国内で栽培または製造されたものだけを扱う、量り売り食料品店だ。

 店のオーナー、クリスタル・レヒキーさんは、かつてはBC州北部の大手スーパーのマネジャーを務めていた。ある晩、TVで見ていたプラスチックなどによる海洋汚染のドキュメンタリー番組にショックを受けたレヒキーさん、次の朝には環境に優しい自分の店を持つことを決心していた。

 夫のケルビン・フィーゼルさんと店のロケーションを探していた時、環境意識が高いソルトスプリング島ならうまくいきそうな感触を得て、この地に店を構えることにした。

 店では地元産、有機、そしてフェアトレードの食材をパッケージなし(量り売り)で販売するかたわら、利用客には食材を入れて持ち帰る『マイ容器』の持参を求めている。もちろん、容器の持ち合わせがなかった人のために店のものも用意はしているが、ほとんどの人は『マイ容器』を持ってくるとレヒキーさん。それどころか、手にすくったまま持ち帰る人、さらにはポケットいっぱいに詰め込んで帰る人もいたという。

 持ち込まれた容器は最初に重さを量り、その分を会計時に差し引くが、その重さが印字されたステッカーを容器に貼るとゴミを増やしてしまうというので、洗い落とせるワックス鉛筆で直接記入するようにしている。

 このように顧客に『マイ容器』の持参を奨励する動きは徐々に広がっている。量り売り食材店の全国チェーン、バルク・バーンも、全国の260店舗で2月24日から『マイ容器』の利用を認めると発表している。同社副社長ジェーソン・オフィールドさんは、こうした動きは『ゼロ・ウェイスト・ホーム』の著者ビア・ジョンソンさんの提唱によって広がっていると取材に語っている。

 普段の暮らしの中で、いかに個々人がゴミを減らせるかが語られていることは、同社にとり、追い風となり、さらに顧客のニーズにこたえていきたいと、オフィールドさんは付け加えていた。

 なおバルク・バーンで使用できる『マイ容器』については、いくつかの条件がある。詳しくは同社のウェブサイトで確認できる(『bulkbarn』『waste』『free』で検索)。

 

 

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