2017年2月16日 第7号

 今年に入り、アメリカから国境を越えカナダに入国する難民が増加している。14日にはマニトバ州ブライアン・パリスター州首相がインタビューで、連邦政府の協力が必要と訴えた。

 アメリカとの国境の町マニトバ州エマーソンでは今月4、5日の2日間で22人、11日には21人が入国し、対応に追われている。この辺りはこの時期まだマイナス10度を下回る寒さで積雪量も多い。その中を越境してくるため、中にはひどい凍傷を患っている難民もいる。

 マニトバ州エマーソンは米ミネソタ州との国境沿いにあり、平原で越境しやすいことや、こうした難民を一時的に受け入れる体制も整っているため、ここを通る難民が多いという。

 今年に入って急増した要因はいろいろと考えられるが、アメリカの移民政策も大きく関係していると関係者は語っている。ドナルド・トランプ大統領が発令したイスラム圏中東・アフリカ7カ国出身者の入国を一時禁止する大統領令もその一つ。

 ミネソタ州にはソマリアからの難民が多く、今回もソマリア出身者が多く入国している。ソマリアは入国一時禁止7カ国の一つ。「アメリカにいたのでは安全に暮らせない」と難民は語っているという。

 大統領令は差し止められたものの、アメリカからの難民の流れはしばらく続くだろうとみられている。ケベック州でも難民の入国が先月から激増していると報告されている。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。