2017年2月2日 第5号

 国会では新民主党(NDP)トム・マルケア党首が1月31日の国会で、同月27日に米ドナルド・トランプ大統領が発令した中東・アフリカ7カ国出身者の入国と、難民の受け入れを一時禁止した大統領令について、ジャスティン・トルドー首相が全く言及していないことを批判した。

 マルケア党首は大統領令を「人種差別的」と批判し、トルドー首相に強く非難するよう要求した。「我々には声を上げる義務がある」と訴えた。

 トルドー首相は、移民・難民入国制限の大統領令が発令された後、カナダは難民を歓迎するとのツイートを発信した。

 しかしマルケア党首は、自由党はトランプ大統領の行為に対して厳しい言葉で非難しておらず、カナダとして不十分と批判。曖昧な言葉では納得できないと語った。

 マルケア党首は、トランプ大統領と会談する時にこの大統領令を非難するつもりがあるのかと国会で質問。トルドー首相は、「カナダ国民は首相に、カナダ的価値観と原則のために立ち上がり、思いやりを持って対応することを期待している」と答え、首相として常にそのつもりだと明確な回答を避けた。

 専門家は、カナダはこれからアメリカとは北米自由貿易協定(NAFTA)や防衛などの問題で交渉をしていく必要があり、そのため、政府はアメリカを刺激する強い批判を避けることが賢明と指摘。トルドー首相はカナダの移民政策を肯定する形でアメリカとの違いを強調したと語っている。

 トルドー首相は今週中にもワシントンDCでトランプ大統領と会談する予定と一部報道されている。

 

 

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