2017年1月26日 第4号

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府クリスティ・クラーク州首相は23日の記者会見で、2011年からの5年間で雇用が大きく増加、全国で最も成長したと2011年BCジョブプランの最新情報を公開した。

 5年間で雇用は19万1500件創出され、失業率は5・8パーセントと全国最低となったことを強調。今年5月の選挙で5期目を狙う自由党政権の雇用創出5カ年計画がうまく機能していることを主張した。

 ただ反省点もあるとしている。雇用創出について19項目を目標に掲げていたが、そのうち4項目で目標を達成できなかったと語り、海外留学生の増加、鉱山業の成長、液化天然ガス(LNG)事業の成長などが達成できなかったことをあげた。

 LNGについては2011年の計画では2020年までに最低でも3工場は稼働している計画だった。しかし現実には未だひとつも稼働に至っていない。その大きな理由として世界経済が大きく影響したと説明した。

 今回の報告を踏まえ、今後5年間の経済目標として、多様化、革新、貿易、雇用を軸にしていきたいと語った。また、ブリティッシュ・コロンビア大学学長サンタ・オノ氏をイノベーション・ネットワークの首席顧問に任命し、大学とテクノロジー産業をつなぐネットワークづくりを任せたと発表した。

 今回の報告に対して、野党新民主党(NDP)は懐疑的な見方を示している。5年間で創出された雇用は当初計画したものとは異なっていると反論。クラーク州首相は2013年にはLNG関連で10万人の雇用を約束していたと批判した。しかし実際にはほとんど実現していない。また雇用創出はバンクーバー広域圏に集中し、サービス産業がほとんどで、パートタイムが多いと偏っていることを強調。雇用増加は自由党政権の政策によるものだけではなく、カナダドルが下がったことによる、映画、旅行、テクノロジー産業が好調だったことも大きな要因と語った。

 自由党政権を批判するNDPが党の雇用計画を発表していないとの批判について、同党ジョン・ホーガン党首は、自由党政権が来年度予算を発表した後、選挙前にはNDPの雇用計画を発表すると語った。

 

 

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