2017年1月19日 第3号
アルバータ州レッド・ディアーの北西60キロメートルほどにあるリンベイで9日、沼地の上に張った氷を踏み抜いて身動きが取れなくなった馬が、近所の人の協力で助け出された。
この馬がロイド・クリークの凍った沼にはまってもがいているのを、地元のコディー・スコットさんが見つけた。馬は馬車の牽引用などに用いられるクライスデール種のメスで、彼はこの馬が近所の家の馬であることに気がついた。体重は700キログラム近かったという。
スコットさんは最初、友人らとともにロープで馬を引き上げようとしたが、うまくいかなかった。そこでロープをスノーモービルで引っ張ってみたが、もがき続けるびしょ濡れになった馬の重みで、そのベルトが切れてしまった。
馬も必死にもがき続けるが、そのためにかえって沼の深みにはまっていった。時間との戦いだったと語るスコットさんは、再び人力での救出を試みた。
奮闘すること3時間あまり、ついに馬が片方の前足を氷の上に出すことができた。さらにスコットさんらが、もう一方の前足を引き上げることに成功、馬はようやく自力で這い出すことに成功した。
最終的にはRCMPと地元消防団も駆けつけた救出劇の一部始終は、スコットさんが胸につけていたアウトドア用動画カメラで撮影された。スコットさんは生まれてこの方、馬に囲まれて育ってきたが、いてつく寒さの中でのこの馬の忍耐力には感動したと、取材に語っている。
氷の上に這い上がってから、馬が立ち上がるまでには2〜3分かかったが、その後馬は飼い主のもとに戻った。この馬を診察した獣医は、しばらくすれば完全に回復するだろうとスコットさんに話していたという。