2017年1月1日 第1号

 「世界を自分の目で見てみたい」と、2014年から世界旅行を続けている東京都出身のサトル・ヤマダさん(20歳)は今、ノースウェスト準州の北岸、北極海に面するトゥクトヤクトゥクにいる。

 東京からイランまでは徒歩とヒッチハイク。そこで自転車を入手してからの約6カ月間でロシア、ノルウェーなど6カ国を走破。

 2016年、空路アメリカ・ワシントンDC州ボストンに到着後、再びヒッチハイクを繰り返してカルガリーに到着した。ここで捨て去られた自転車を発見、それを修理してからは、ひたすら北上を続けてユーコン準州ホワイトホースにたどり着く。ここでブラジル人の青年と作ったいかだに乗り、ユーコン川を下ってアラスカへ。

 ホワイトホースに戻った後、10月下旬になってからは再び自転車にまたがり、北極圏へ延びるデンプスター・ハイウェイを北上、トゥクトヤクトゥクに到着した。

 ヤマダさんはカナダ先住民の生活に興味があり、また人力で北極圏を目指す夢もあることから、この人口800人あまりの集落を選んだ。誰からも温かく迎え入れてもらえたヤマダさんだが、この季節にもかかわらず、夜はテントも使わず、氷の上にひいたトナカイの毛皮と2つの寝袋に入り、野外で寝ている。「そうしてみたかっただけ」と取材に答えるヤマダさんの次の目標は、犬ぞりを調達して、同集落から東へ約400キロメートルのところにある、人口300人ほどの集落パウラトゥクへ向かうこと。そこで北極点を目指す準備を続ける予定だという。

 しかしそれでヤマダさんの旅行が終わるわけではない。無事に北極点に到達したあとは、今度はまだ訪れたことのない南アメリカを目指す。「トゥクトヤクトゥクからアルゼンチンまで、また自転車の旅です」と取材に語っていた。

 

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