2016年12月15日 第51号

 ブリティッシュ・コロンビア州ノースショアマウンテンのスキー場そばで11日、スキーヤー2人が遭難したが、翌日無事救助された。

 当初サイプレス・マウンテン・スキーリゾートでスキーをしていた2人は、あえて立ち入り禁止ラインをくぐってスキー場外に出て、スキーをしていた。そのうち1人がスキーを失い、斜面を横切っている時に雪崩に巻き込まれ谷底へと流された。場所は、同スキー場の東にあるトニー・ベーカー谷。

 2人は雪洞を掘り、暖を取るため定期的に体を動かして一晩を過ごした。スキー場一帯はこの日雲に覆われ視界が利かなかった上に、比較的暖かい気温で雪崩の危険性が高かったため、捜索活動は見合わされていた。

 天候が回復した12日朝から捜索が開始され、間もなくヘリコプターが2人を確認。雲にさえぎられ中断されることもあったが、最終的に無事に2人をヘリコプターに引き上げることができた。

 スキーヤーは、スキー場外に出たことは全く愚かなことだったと反省している。救助を行ったノース・ショア救助隊のマイク・ダンクスさんは、2人が無事に夜を過ごせることを祈っていて、2人は運が良かったと取材に語っている。スキーヤーから救助依頼を受けた警察が、その携帯電話の位置を正確に把握できたこともそのひとつ。

 また、2人が一晩を過ごした場所のすぐ上には、いつ崩れてもおかしくない雪のかたまりがあったという。谷底からのつり上げには、正確な操作が要求される200フィートの長さのワイヤーが用いられた。

 取材を受けたスキーヤーの1人は、これから妻と6カ月になる娘に会えると思うと、今が人生でもっとも安堵した瞬間に思えると語っていた。

 

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