2016年12月15日 第51号

 マニトバ州ウィニペグで10日朝、路上で出火した車を目撃したドライバーが、協力して車内の人を助けた。

 事故が起こったのは、同市サウスデール・センター前を走る、ファーモア・アベニュー。

 リチャード・シムチャックさんと息子のウィリアムさん(30歳)が乗った車は、ちょうどこのショッピングセンターのコーヒーショップ、ティム・ホートンズを後にしたところだった。

 突然、車のボンネットから炎が立ち上るのを見たシムチャックさんは、あわてて車の外に飛び出した。しかしダウン症のウィリアムさんが車内に取り残されてしまった。そこを通りがかったロス・エウバンクさん、車が炎をあげているのを見て車を路肩に止めて、ウィリアムさんをなんとか車の外へと引っ張り出した。

 またカイロプラティックからの帰り道だったジョアンヌ・ブレさんも、炎に包まれた車そばに立ちすくむシムチャックさんを見かけ停車。ウィリアムさんを自分の車の中に招き暖をとらせるとともに、息子の所持品を何とか車内から取り出そうとしていたシムチャックさんを、消防が来るまで車から離れているよう説得した。

 出火の原因は判明していないが、シムチャックさんはけが人が出なくて幸いだったと取材に語っている。またブレさんも、人助けができてよかったと話している。消防による鎮火後、シムチャックさんはウィリアムさんのバックパックを回収することができた。

 

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