2016年12月8日 第50号

 連邦政府マリアム・モンセフ民主機構相は2日、前日に国会での自らの発言について「失言だった」と謝罪した。

 モンセフ民主機構相は、前日の国会で選挙制度改革について議論を続けている選挙改革制度諮問委員会が、現在の選挙制度の代替案ではなく、国民投票の実施を推薦したことについて、「我々が期待していたほど真剣には議論してくれなかった」と発言した。また「委員会に難しい選択を迫ったが、委員会はそれを回避した」とも語った。

 これに対して野党からは批判の声が上がった。保守党ローナ・アンブローズ暫定党首は、「侮辱に値する」と批判した。グリーン党エリザベス・メイ党首は、「大臣が委員会に対し、なぜそのような失礼な言葉を選んだのか理解に苦しむ。国民を間違った方向に導くものだ」と語った。新民主党(NDP)ネイサン・カレン議員は、議員が時間を割いて委員会で議論した内容をそういう言葉で表現されるのは聞くに堪えないと語った。

 自由党は選挙戦から選挙制度の改革を公約として掲げており、政権を取った場合は、2015年の選挙が現在の小選挙区制を採用する最後の選挙にするとしていた。

 現在は党を越えた12人の国会議員による選挙改革制度諮問委員会で代替案などが議論されている。メイ党首やカレン議員は委員会委員として参加している。その委員会の報告書が提出され、その中にこれまでの小選挙区制がいいのか、比例代表のような代替案がいいのか、国民に問うための国民投票を実施してはどうかとの提案が含まれていた。

 今回の件を受け、自由党政権は5日から選挙制度について国民の意見を聞くためのサイトMyDemocracy.caを立ち上げた。今月末まで参加できる。しかし、その内容について早くもそれを利用した国民からはソーシャルメディアで、内容が分かりにくいなどの批判が相次いでいる。

 このサイトで集まった情報を政権がどのように活用するかは明らかにされていない。

 

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