2016年11月24日 第48号

 連邦政府キャサリン・マッケナ環境相は21日、2030年までに全国の石炭発電を事実上廃止するとの計画を発表、これまでの計画よりも前倒しすると語った。

 記者会見で同相は、現在カナダ国内の発電は約80パーセントがクリーンエネルギーで、水力、原子力、風力、太陽光発電となっている。しかし、政府の目標として2030年までに約90パーセントの電力を温室効果ガス排出ゼロにしたいと語った。

 現在でも石炭発電を使用しているのは、アルバータ州、サスカチワン州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州。このうちノバスコシア州とニューブランズウィック州は今回の発表を歓迎している。さらに最も石炭発電の多いアルバータ州も、すでに州政府が計画している環境対策とほぼ一致しているため大きな影響はないと同州シャノン・フィリップス気候変動相は語っている。

 一方サスカチワン州ブラッド・ウォール州首相だけが反対を声高に主張している。今年3月に行われた環境対策会議でも政府の政策に反対を唱え、連邦政府が発表した炭素税導入にも反対している同州首相は、州政府と協力して対策を行うとする政府の約束に反していると批判している。

 今回の発表では、遅くとも2030年までには石炭発電の二酸化炭素排出量を1ギガワットあたり420トンまでに抑えるとし、石炭発電を廃止するか二酸化炭素回収貯蔵技術などの適用により排出量を抑えるかの対策を取る必要があるとしている。

 

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