2016年11月17日 第47号

 4歳の少女を襲い大怪我をさせたピットブルの所有者に対し、裁判所が殺処分の命令を下した。

 犬の襲撃が起こったのは5月5日、アルバータ州エドモントンの東約100キロメートルにある、人口6千人ほどの町ビーグルビル。

 ホリー・ミアーズさんの双子の少女カイリーちゃんとジェンナちゃんは、祖母と連れ立ってある家のガレージセールから立ち去るところだった。そこへ突然庭から飛び出てきたピットブルが、少女らに背後から飛び掛ったという。

 犬は少女らの顔に噛み付き、祖母が何とか犬を引き離したものの、傷の治療のためにすぐさま病院に搬送される事態に。カイリーちゃんはそこで傷口を縫い合わせる処置を受けたが、唇と首に傷を負ったジェンナちゃんは専門病院での手術が必要だったため、エドモントンのストーリー・チルドレンズ・ホスピタルに移送された。

 また少女らを襲った犬は警察に拘束され、検疫を受けたあとにエドモントンに住む飼い主に返されたが、6月15日には法廷が、この犬の素行評価を利害関係のない調教師に行わせるよう命令。一方飼い主夫婦には危険な犬に関する法律に基づいた罰が科せられた。

 8日に開かれた公判に立ち会ったミアーズさんは11日のメディアの取材に対し、裁判官はこの犬の危険性、および社会に対する脅威を認め、7日以内に殺処分するよう言い渡したという。

 またミアーズさんは子供たちの状態について、二人とも精神的な問題を抱えているほか、傷の完治にはまだ時間がかかるものの、すばらしい回復力を見せていると取材に語っている。その上で、この犬がいかに危険であるかがみとめられ安堵していると付け加えていた。

 

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