2016年11月17日 第47号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーのイーストサイドで13日、現金自動預け払い機(ATM)から残高以上の現金が引き出せる状態が数時間続いた。
この現象は、バンクーバーが本社の銀行バンシティ傘下の低所得者向け銀行ピジョン・パーク・セービングスのATMで発生した。バンシティが行っていたシステム更新が原因とみられている。
同市イースト・ヘイスティングスで、簡易宿泊施設や食料、更生プログラムなどを提供しているユニオン・ゴスペル・ミッションのジェレミー・ハンカさんによると、まわりはこの話で持ちきりだったという。
一度に引き出せた額は20ドルから80ドルと、決して高額ではなかったが、中には現金の引き出しに何回も成功した人も。
どうせ銀行のエラーなのだからと、良心の呵責もなくプレゼントのように現金を引き出している人も多かったが、同団体ではそうしないよう、説得に当たったとハンカさん。結局返納しなければならなくなるから、残高以上に現金を引き出したり、そのお金を使ったりはしないよう伝えたと、取材に話していた。
また彼は、そうした「あぶく銭」が、こうした人々のアルコールや薬物からの更生を遅らせることにもなりかねないことを危惧していた。
なおバンシティは、トラブル原因はすぐに解決され、この影響を受けた顧客数は多くないとのコメントを発表。残高以上を引き出した人に対しては、どのようにその状況を解決するのがベストか話し合いを持つことにするとしている。