2016年11月17日 第47号

 連邦政府ジム・カー天然資源相は15日、カナダの石油輸出先としてアジアを重要視している発言をし、トランスマウンテン・パイプライン拡張計画承認への布石かとの見方が広がっている。

 この日カー天然資源相は、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に決まったことを受け、キーストーンXLパイプライン計画が承認される可能性について記者に聞かれると、「それでもカナダの石油がアジア市場に輸出されるわけではない」と述べ、「カナダ政府としての目標は輸出市場を広げることだ」と語った。

 連邦政府は12月19日までにキンダーモーガン社のトランスマウンテン拡張計画承認の是非を決定しなければならない。そのため、今回の発言は承認に向けての布石ではとの見方が出ている。

 トランスマウンテン計画はアルバータ州からブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー近郊までの現存するパイプラインを拡張する68億ドルをかけた工事で、完成すれば現在の3倍のオイルサンドを輸送することになる。この計画については環境活動家をはじめ、バーナビー市、バンクーバー市なども反対を主張している。

 

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