2016年11月10日 第46号

 ブリティッシュ・コロンビア州メープルリッジの高校のトイレが性別不問のトイレに変更されたが、そのユーモラスな表示が笑いを誘っている。

 この学校は、サミュエル・ロバートソン・テクニカル・セカンダリー・スクール。

 ここで注目を集めているのは、もともとは学校スタッフ専用だった個室トイレ。今ではそのドアに青色で、右半身がスカート姿、左半身がズボン姿の人物と、車いすの人物のシンボルが描かれている。そしてその下に『何でもいいから、ちゃんと手を洗うこと(WHATEVER. Just wash your hands)』というコメントが添えられている。

 この表示は、同校の生徒のアイデアで美術のプロジェクトとして実現したもの。

 メープルリッジ=ピットメドウズ教育委員会によると、同地区の多くの学校で性別不問、もしくは共用トイレの導入が進んでいるというが、その場合は教育委員会が認定した表示ー便器と車椅子のサインーを使用しており、サミュエル・ロバートソン校の例は珍しいと取材に答えている。

 もちろん、サミュエル・ロバートソン校でも、昨年トイレが性別不問トイレに変更された際に同じものが貼られていた。さらにドアの片隅には、性的少数者を支援する意味のレインボーカラーのステッカーも貼られたのだが、あまり生徒らの注意をひかなかった。

 そこで、同校の性的少数者と通常の生徒の交流をはかるグループ、ゲイ・ストレート・アライアンスのメンバーが、何か全校生徒にアピールする手段はないかと考えていた。最終的には、美術科の教諭がインターネットからアイデアを得て、このデザインにたどり着いたという。

 こうした性別不問のトイレのための表示は、世界中で様々なものが考案されている。オンタリオ州トロントのカナディアン・ナショナル・エキシビジョン(CNE)では今年8月、半身スカート、半身ズボンの人のデザインの下に『かまわぬ(We don't care)』というコメントをつけていた。

 最近サミュエル・ロバートソン校のこのトイレの表示を見て、『これ、いいよね』と言いながら写真を撮っている姿も見られるようになったほか、インターネット上にも拡散されている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。