2016年11月10日 第46号

 連邦政府マーク・ガルノー運輸相が、ブリティッシュ・コロンビア州北西部沿岸でのオイルタンカー航行停止を約束すると、CBCのラジオ番組ザ・ハウスで語ったとCBCが11月4日付電子版で伝えた。収録されたラジオ番組は11月5日に放送された。

 ガルノー運輸相は、自由党が約束したことであり、守るのが当然との考えを示したと伝えている。今回の航行停止はジャスティン・トルドー首相からの指示であり、漁業海洋相、環境相、天然資源相と協力して現実化するとしている。

 正式発表は年末までに行われる予定で、そうなれば保守党前政権が進めていたノーザン・ゲートウェイ・パイプライン建設計画が事実上の中止に追い込まれる。同パイプライン計画は、エンブリッジ社が手掛けるアルバータ州エドモントン近郊からBC州北西部沿岸キティマットまでオイルサンドを運ぶパイプライン建設で、キティマットからタンカーでアジア市場へと輸出される予定になっている。

 今回のガルノー運輸相の示唆でBC州北西部でのパイプライン建設には赤信号が点滅しているが、BC州沿岸が関わるもう一つのパイプライン計画キンダーモーガン・パイプライン拡張に対しては、12月19日までに承認かどうかの決定が発表されることになっている。同計画は、現在稼働しているアルバータ州からバンクーバー近郊までの既存パイプラインを拡張し、輸送量を3倍するというもの。そうなれば現在バラードインレットを航行しているタンカー数は7倍になるといわれている。バンクーバー市をはじめバーナビー市などが拡張工事に反対している。今回、ガルノー運輸相は同州北西部でのタンカー航行停止は示唆したが南部には言及していない。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。