2016年10月20日 第43号

 来年の党首選出に向け、保守党の党首選が大混戦の様相を呈している。今月に入り、党首選参戦表明が続出。この先もさらに立候補者が出ると予想されている。

 13日には前移民相クリス・アレクサンダー氏(オンタリオ州)が立候補を表明した。昨年の選挙で落選したため、現在は国会議員ではないものの、昨年の保守党大敗を反省し、もう一度党を立て直すために立候補を決意したと語った。

 翌日、前復員軍人相オンタリオ州選出エリン・オトゥール議員が地元オンタリオ州ボウマンビルで立候補を表明した。昨年の大敗から保守党は国民の信頼を回復しなければならないと支持者を前に訴えた。

 続いて18日にはブリティッシュ・コロンビア州から2人が立候補を表明した。一人はノース・バンクーバー選挙区の元国会議員で、昨年の選挙で落選したアンドリュー・サクストン氏。民間企業でのビジネス経験と、保守党政権時代に財務副大臣を2期務めた経験を強調し、経済通として保守党を率いたいと語った。ただフランス語が得意でないため、他の候補者に一歩遅れをとっている。同日立候補を表明したもう一人は、リック・ピーターソン氏。金融関係のビジネスマンとして知られる同氏は2014年にはBC州保守党の党首選にも出馬した経験を持つ。英仏両語に堪能で、30年来の保守党支持者。政界進出に意欲的だが、まだ政治家としての経験はない。

 立候補者が続出する中で、立候補を取り止めたのは前予算庁長官トニー・クレメント議員。党首選を戦うための十分な資金調達の目途が立たなかったと12日理由を述べた。党内での支援者が集まらなかったのも理由の一つ。今後は議員として党を盛り立てていくと語った。

 これまでのところ立候補を表明しているのは13人。すでに登録を済ませ登録料全額を支払っているのはマイケル・チョン議員(オンタリオ州)で、登録のみは、マキシム・バーニエ議員(ケベック州)、ケリー・リーチ議員(オンタリオ州)、ディーパック・オブライ議員(アルバータ州)、アンドリュー・シェーア議員とブラッド・トロスト議員(サスカチワン州)。立候補表明にとどまっているのは、アレクサンダー議員、オトゥール議員、サクストン議員、ピーターソン氏を含む7人。

 今後立候補表明が予想されているのは、前運輸相リサ・レイト議員(オンタリオ州)。14日には党首選立候補に向けた準備に入ることを意味するコメントをツイッターにあげている。

 保守党党首選は、昨年の連邦選挙で保守党が自由党に大敗したのを受け、党首だったスティーブン・ハーパー首相が辞任。現在はローナ・アンブローズ暫定党首が党を率いている。立候補が有力視されていた、ジェイソン・ケニー前外務相、ピーター・マッケイ前法務相、ジェームス・ムーア前産業相がいずれも立候補しないことを表明したため、大本命となる候補者がおらず、大混戦になるものと予想されている。

 投票は来年5月27日に行われる。

 

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