2016年10月20日 第43号

 ブリティッシュ・コロンビア州内陸部ケローナ市近郊で13日、小型飛行機が墜落。この事故でパイロットを含む4人が死亡し、アルバータ州ジム・プレンティス前州首相が含まれていたことが14日分かった。

 飛行機は13日深夜にケローナの飛行場をアルバータ州カルガリー近郊に向け離陸した後すぐにレーダーから消え、同市北部に墜落しているのが確認された。

 運輸安全委員会は事故原因を調査中としながらも、この機種の小型機にはボイスレコーダーやブラックボックスの装備が義務付けられておらず、事故機にも装備されていなかったことから、原因究明には1年近くかかるだろうとしている。事故当時の気象状況は特に問題なかったという。

 プレンティス氏は、州首相就任前にはスティーブン・ハーパー保守党政権下で連邦政府閣僚を歴任。産業相、先住民・北方開発相、環境相を務めた。

 14日、国会は元閣僚の突然の死に悲しみに包まれた。保守党ローナ・アンブローズ暫定党首は「党員全員が大きなショックを受けている」と涙声で語った。ジャスティン・トルドー首相も会見で、優秀な政治家であり、アルバータのために、カナダのために尽くした人だった、人格者であり国会でも党を越えて好かれた人だったと惜しんだ。

 プレンティス氏は2004年に保守党から国会議員に初当選。2006年に保守党政権が誕生すると閣僚を歴任した。2010年に国会議員を辞職。民間企業に就職したものの、2014年にアルバータ州進歩保守党党首に就任。2015年5月に新民主党(NDP)に敗れるまで同州首相を務めた。享年60歳。

 

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