2016年9月29日 第40号

 連邦政府キャサリーン・マッキーナ環境相、ジム・カー天然資源相、ドミニク・レブラン漁業相は27日、ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドで記者会見を行い、同州北西部で建設計画が進められているパシフィック・ノースウエストLNG計画を承認すると発表した。ただし190項目の条件が付されている。

 同LNG計画は、マレーシア国営企業ペトロナス社が率いる液化天然ガス(LNG)開発事業計画で、総事業費360億ドル、その中にはプリンスルーパート近くのレル島に建設予定の液化ターミナル施設の建設、同州北東部の天然ガス採掘場とターミナルをつなぐパイプライン建設、その他には採掘、生産などが含まれている。2021年完成予定で、完成すれば年間1900万トンの液化天然ガスが、ここからアジア市場へと輸出される。

 同州政府は2012年から液化天然ガス事業を同州経済の根幹とすることを公約として掲げていたが、州政府の法整備に時間がかかったこと、2014年からの原油価格急落に伴う世界的な天然ガス価格急落の影響などがあり、事業計画はなかなか前には進んでいなかった。

 今回、連邦政府が承認を発表した背景には、ペトロナス社が今年末までに事業計画の最終決定を発表することがある。

 ただ、カナダ環境査定委員会(CEAA)は同事業が完成すれば、年間500万トン以上の温室効果ガスを排出することになり、環境問題に大きな影響を与えると結論付けている。また、事業計画に反対している環境活動家や先住民族は、レル島での工場建設はサーモンの生態圏にも影響を与えると主張している。

 

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