2016年8月11日 第33号

 カナダエネルギー委員会(NEB)は8日、ニューブランスウィック州(NB)セント・ジョンで公聴会を行った。現在トランスカナダ社が建設を予定しているエナジー・イースト・パイプライン計画について広く意見を聞くことを目的としている。

 エナジー・イースト・パイプライン建設計画は、アルバータ州のオイルサンドを東海岸のNB州まで運ぶための全長4500キロ、総事業費150億ドルのパイプライン建設計画。アルバータ州のオイルサンドを海外市場へと輸出するために必要な国内パイプライン建設計画では、唯一の進行プロジェクト。これまで、アルバータ州からブリティッシュ・コロンビア州北西部への建設が計画されていたノーザン・ゲートウェイ・パイプライン計画は、自由党政権が計画中止を選挙活動中から公約として掲げ、政権をとって以降も承認する意向がないことをすでに示している。また、アルバータ州からアメリカのテキサス州までのキーストーンXLパイプライン計画は、オバマ大統領が却下し、これまでのところ、これ以上進行する予定はない。現在行われているアメリカの大統領選挙で共和党候補者が勝利すれば事情は変わる可能性があるが、同計画が実行される見込みは低い。

 そのため、アルバータ州のオイルサンドを輸出するという点では賛成している自由党政権は、イースト・エナジー・パイプライン計画には力を入れ、今回のNEBが公聴会を全9回にわたり開催する。今回がその第一回。同パイプライン計画では、すでに現存しているパイプラインを利用しながら、新たなパイプラインを建設し延長する。そのため、新しくパイプラインが建設されるケベック州などでは反対の声も多く、州首相も強く反対していた経緯がある。

 公聴会の最終回は12月に行われるオンタリオ州キングストンで、その後、2018年3月16日までにNEBは連邦政府に提案書を提出することになっている。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。