ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーから約160キロメートル北、海岸から深く入り込んだジェービス海峡の奥にあるキャンプ場で10日、青年が誤って急流に落ちて死亡した。この青年の家族は、キャンプ場の安全管理に問題があったとして、閉鎖を訴えている。
死亡したのは、韓国からアメリカ・アイダホ州に交換留学生として滞在していたイ・ハンウ君(16歳)。イ君はキリスト教団体が運営するキャンプ場マリブ・クラブ・キャンプで行われていた、高校生が対象のサマーキャンプ・プログラムに参加するため、当地を訪れていた。
15日にはイースト・バンクーバーで葬儀が行われ、主に韓国から駆けつけた親族ら10人が参加した。葬儀を終えて出てきたイ君の母親は悲しみから、立っているのがやっとという状態だった。
取材に対しイ君の家族は、キャンプ場には十分な救命用具が用意されていなかったほか、ライフガードへの訓練も適切に行われていなかったと訴えている。イ君の父親のコメントを通訳した叔父のポール・キムさんは、自分たちが声をあげなければ、同じような悲劇が繰り返されると語っていた。
安全管理に関してメディアが同キャンプ場にコメントを求めたところ、その点については回答がなかったものの、キャンプ場側はイ君の死を遺族とともに深く悲しむと同時に、遺族に対してできるだけのサポートを行うと答えている。
BC州ライフセービング協会によると、移民やBC州で暮らしたことのない人のうち、泳げない人の割合は、この州の住民の場合の4倍になるという。その一方で、プールやウォーターフロントにはライフガードが常駐していたり、キャンプ場も水の事故には気をつけて監督しているはずだと付け加えている。
しかしイ君の遺族はマリブ・クラブ・キャンプ場ではそのようになっておらず、改善がみられるまでは訴え続けると話している。
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