オンタリオ州オタワの南、人口9000人ほどの町スミスフォールズで、アルカリ溶液を用いた遺体の処理が始まっている。
このサービスを行っているのは、デール・ヒルトンさんが経営するアクアグリーン・ディスポジションズ社。ヒルトンさんはまた、同じ方法でペットの遺体処理を行う、ヒルトンズ・アンフォゲッタブル・テールズ社を、何年も前から操業している。
ヒトの遺体を処理するアクアグリーン社の立ち上げが遅くなったのは、州政府の認可取得に時間がかかったため。
同町のガリポー・センターで約1年前にオープンした同施設。葬儀社を営む家庭に生まれ育ったヒルトンさんは、生分解性の棺おけや骨つぼの登場など、葬儀業界にも環境を配慮する流れが起きていると前置きした上で、このサービスは従来の化石燃料を用い二酸化炭素を排出する火葬に替わる、環境に易しい遺体処理になると説明している。
この『溶葬』では、遺体を入れた容器をカリウムと塩の溶液で満たし加熱・加圧する。コンピューター制御されたプロセスで、遺体は骨などを残しわずか2時間弱で褐色の液体となるという。土葬なら15年から20年かかって土に返るプロセスと同じことが圧力容器の中で行われているだけであって、環境には何の影響もないと、ヒルトンさん。
このあと溶液は2個のフィルターでろ過され、同町の下水道に流される。残った骨などは、乾燥・粉砕され細かなパウダー状となって遺族に届けられる。
このような処理方法がアメリカから入ってきたのは、ほんの数年前のこと。今ではサスカチワン州のほかケベック州でも認可されている。
同町水道課では、今後遺体処理数が増えた場合に、下水道の水質にどのような影響が出るのかを注意深くモニターしていきたいと話していた。
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