ブリティッシュ・コロンビア州サレー市の高校が20日、他校からの参加も可能な性的少数者のためのダンスパーティーを開催した。主催は、同高校のゲイ・ストレート・アライアンス。

 この企画を発案したのは、性的少数者の生徒たちには十分な出会いの機会がないと感じた生徒だったと、同校教諭のヒーサー・ケリーさんは取材に語っている。一般的なダンスなどのイベントでは、参加できるのは同じ学校の生徒に限られているため、校外に友人を持つことが多い性的少数者の生徒には参加しづらいものがあったという。

 今回のパーティーではこうした垣根を取り払い、また一般生徒の参加も呼びかけた。会場の飾りつけのボランティアをしていた生徒のユウ・タカハシさん(14歳)は、自分は性的少数者を応援する仲間だと表現。彼らを無視したり拒否したりして、いやな思いをさせるようなことは、この学校やコミュニティで起こってほしくないと取材に語っていた。

 そしてこの企画は、デルタ、ラングレー、またニューウェストミンスターといった近隣の都市の生徒からも参加の問い合わせがくるほど、注目を集めてきた。残念ながらこうした行政区外からの生徒はパーティーには参加できない規則になっていたものの、各都市でこうしたイベントが起こるきっかけになればと、ケリーさんは話している。

 またパーティー運営やボランティアへのピザ提供などのため、ケリーさんがオンライン上で500ドルを目標としたクラウドファンディングを開始したところ、先週末の段階で目標額の3倍以上が集まったほか、景品や食品、そしてDJサービスの寄付まであったという。

 集まった寄付のうち、余剰金は来年の同イベントにまわし、このパーティーを恒例行事にしていきたい、とケリーさん。

 なおサレー市役所は、アメリカ・フロリダ州オーランドで性的少数者が集うクラブで銃乱射事件が起きたあと、彼らを象徴するレインボーカラーの半旗を市庁舎に掲げている。こうした庁舎で、市や州、国といった行政機関を代表する旗以外を掲揚することは、実は禁止されている。

 もちろん今回のイベントは銃乱射事件とは直接には関係しない。しかしコミュニティの、性的少数者に対する対応に変化が起きていることをアピールする機会になると、ケリーさんは指摘している。

 

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