ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでは、日本の伝統工芸、しぼり染めが静かに人気を集めている。

 しぼり染めはその名が示すとおり、縛ったり畳んだり、丸めたりした布を藍で染色するもの。その多様性から、地元アーティストやDIY好きな人の間でブームとなっている。

 服飾デザイナーのアデラ・ゼラーさんは、クワントレン大学の織物の授業でしぼり染めを学んだが、布地を縛ったり縫ったりの試行錯誤の連続で、とても楽しめたと語っている。

 またブームの背景には、バンクーバーなど太平洋側に住む人は、都会化していても自然とのつながりを求めるヒッピー魂をどこかに持ち続けていることもあるのでは、と付け加えている。天然染料と昔ながらの手法を用いるしぼり染めでは、どんな仕上がりになるか予測できないことも魅力になっているようだ。

 様々な手工芸ワークショップを行っている、バンクーバーのグランビル・アイランドにある工房ザ・クラフト・ラボのヒーサー・ヤンさんも、試行錯誤の中から新しい手法を探し出していく藍染は、確かに難しいものの深い伝統に根ざしていると話す。

 また、原料となる藍の自家栽培に取り組むグループもある。バンクーバーのマウント・プリーザント地区にある、アーティストが自ら作品に使用する植物を育てることを目的に作られた農園、ミーンズ・オブ・プロダクション・ガーデンでは、キャサリーン・シャプリオさんが日本産の藍を種から育てている。またしぼり染めのワークショップも過去に行ったことがある。

 そのほか、バンクーバーのグランビル・アイランドにあるマイワ・ハンドプリンツのソフィーナ・ウォンさんが運営しているウェブサイト、インディゴ・ソーシャルでは、不定期で染物のワークショップを企画している。

 

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