ブリティッシュ・コロンビア州リッチモンドのショッピングモールで5日午後6時ごろ、同市に事務所を持つ土地開発業者社長が銃撃を受け死亡した。

 死亡したアマジット・シン・サンドゥーさん(56歳)はこの日、バンクーバー市中心部で行われたチャリティーイベント、グル・ナナック・キッチンのボランティア活動の帰りに、このモールのコーヒーショップに友人とおぼしき人物と立ち寄っていた。そのあと店を出て自身の黒いピックアップトラックのところまで来たところで、近づいてきた何者かに銃で撃たれた。

 警察によると、この男は20代前半で痩身、身長は約180センチ、灰色のフード付きジャケットに暗い色のズボンを着用していたという。目撃者によると、男は消音機付きの拳銃で少なくとも6回発砲、待機していたトラックで逃走した。

 またサンドゥーさんと一緒に店を出た「友人」は、撃たれたサンドゥーさんを助けることはせず、彼の車から何かの書類をつかみ取り、現場を立ち去ったという。

 現場はコーヒーショップのほかレストランや自動車用品店に囲まれた駐車場。休日の夕方をショッピングモールで過ごす人で賑わっていたが、けが人は出なかった。しかし銃撃が再び起こるのではないかという恐れから、犯人が逃走した後も地面に倒れ血を流していたサンドゥーさんを助ける人は現れず、結局警察と救急が到着するまでの約10分間、サンドゥーさんは放置された状態だった。

 ビジネスマンであるサンドゥーさんはまた、熱心な政治活動家でもあった。彼の会社サンドヒル・デベロップメント社は、2014年のリッチモンド市の選挙の際にマルコム・ブローディ現市長に4500ドルを寄付している。また彼はキスメット・ファームの個人事業主として、ケン・ジョンストンとチャック・オウの両市議会議員に1000ドルを寄付。さらにSSBホームス社とサンパー・ベンチャーズ社を介してリンダ・マクフェイル、ビル・マクナルティ、デレック・ダン市議会議員らに3000ドルを寄付している。

 そのほか、サンドゥーさんはバンクーバーのシーク教寺院ロス・ストリート・グルドワラの運営に深く関与、同寺院の理事会とは対立関係にあったという。なお、サンドヒル・デベロップメント社はこの10年間に、数多くの民事訴訟に関わっていた。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。