新民主党(NDP)の党首選立候補登録が近づく中、出馬表明一番乗りのオンタリオ州議会議員が7日、「非公式候補」を宣言した。

 トロントのチェリ・ディノボ議員は党首選立候補に興味があるものの、立候補登録料3万ドルや党首選費用上限150万ドルという規則に不満があるとして、「党首を目指して立候補するのではなく、党の原則に挑戦するために立候補する」と語った。

 民主的な社会党の党首選で、自分自身を売り込むためにどれだけ資金が集められるかが重要視されてはいけないと信じていると、その理由を説明した。

 ディノボ議員は歯に衣着せない発言でよく知られ、社会的正義の追及や同性愛者の支援などを政治的信念としている。

 今回州政から国政へと移るにあたり、現在の連邦NDPの原則を中道に寄り過ぎていると批判。それが原因で昨年10月の選挙で大敗したのではと語り、党はもう一度原則に戻るべきだと主張している。

 ディノボ議員は2006年に、補欠選挙でNDPから西トロントのパークデール‐ハイパーク選挙区で初当選。法人税引き上げや時給15ドルなどを訴えている。

 NDPは昨年10月の総選挙で大きく議席を減らし、それまでの野党第一党から転落。その座を保守党に明け渡した。しかしトム・マルケア党首は続投を宣言。引き続き党首として党を率いていたが、今年4月に行われた党大会で党首として承認するかどうかの投票で否決され、党首交代が決定した。現在は次期党首が決定するまで、暫定的にマルケア党首が引き続き党首を務めている。

 党首を決定する投票は来年後半とみられており、党首立候補登録は今年7月2日から受け付けが始まる。

 党首選立候補に有力とされているベテラン議員ネイサン・カレン議員は3日、今回の党首選には立候補しない意向を示した。「党首選に興味がないわけではないが、今回は見送る」と記者団に語っている。ブリティッシュ・コロンビア州北部を選挙区とするカレン議員は2004年に初当選し、以降党の中心的存在として活躍している。党首にふさわしいとの声もあるが、マルケア党首が選ばれた2012年の党首選に立候補し、3番手に終わった。また、BC州NDP党首選への出馬に興味があるかとの質問には、それも考えていないと答えている。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。