マニトバ州スー・バレー・ダコタ・ネーション郊外の牧場で、白いオスのバイソンが7日、生まれた。母親も白いバイソンで、2009年に同州ウィニペグのアシニボイン・パーク動物園で生まれた後、同先住民コミュニティに寄贈された。コミュニティでは25頭ほどのバイソンを所有している。

 バイソンが寄贈された理由は、この先住民コミュニティの文化的背景による。同先住民首長ビンス・タカンさんによれば、同先住民の言い伝えをはじめ文化、儀式もすべて「白い仔バイソンの女」によってもたらされたという。そして今でもコミュニティの多くの人がこの言い伝えを信じていると、タカンさん。

 白いバイソンが生まれて以来、その仔バイソンを一目見ようと、カナダ国内のみならずアメリカからも訪れる人がいるという。中には誕生祝いとして、タバコをカラフルなリボンのついた小袋に詰め、牧場の柵にくくりつけていく人もいる。

 白いバイソンが生まれる確率は知らないが、このコミュニティが飼っているバイソンの中では6年ほど前に母親の白バイソンが加わって以来初めてだと、タカンさんは取材に語っている。

 コミュニティの中には、白いバイソンをイベントなどの折には会場に連れ出し、多くの人が見られるようにすべきだという意見もあったが、結局牧場内にとどめておくことにした経緯がある。

 タカンさんは、白いバイソンは神聖な動物として扱われるべきで、その姿を見たいのであれば、敬意を表するために人間がバイソンのもとを訪れるべきだと説明している。

 同コミュニティでは現在のところ、飼育しているバイソンの数を増やしつつ、教育のためなどに利用している。今年になって誕生した仔バイソンは10頭になる。また将来的には、バイソンの商業利用も念頭に置いていると、タカンさん。

 アシニボイン・パーク動物園によると、マニトバ州で確認されている白いバイソンは、スー・バレーの親子のほか動物園が飼育している1頭の、合計3頭とのこと。

 

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