今月初めに猛威を振るったアルバータ州フォートマクマレーの森林火災では、8万人の住民が避難を余儀なくされた。中には家族の一員となっていたペットを置いていかなければならなかったケースもあった。

 そんな中、航空機で避難する人のために臨時便を飛ばし続けたエア・ノースは、機内でもペットとともに過ごせるよう、乗客がペットをそのまま客室内に連れ込むことを例外的に認める対応をとった。

 乗客や客室乗務員が撮影し、インターネット上に投稿した画像には、ほとんどの乗客の足元やひざの上に、犬など大小様々なペットがくつろいでいて、文字通り足の置き場がないほどの混雑ぶりが映っていた。

 エア・ノースは通常、毎日のようにフォートマクマレーにチャーター便を運行しており、当地の住民とは強い絆で結ばれていると取材に説明。そのため今回の避難でペットを置き去りにしなければならなくなる住民らの悲しみがよくわかり、このような対応をすることになったと話している。

 ちなみにフォートマクマレーに避難命令が出されたのは3日だが、エア・ノースが臨時便を運行し始めたのは、その前日の夕方から。そして3日には、その日だけで71回のフライトを行い、5100人をフォートマクマレーから脱出させるとともに、折り返しのフライトで必要資材を現地に届けている。

 さらに同社は、避難先で出産するためにペットの猫を連れて行けなくなったクリスタル・スコットさんとその家族のために、1週間ほどこの猫『ミャウミャウ』を同社のエドモントン空港事務所で預かることにした。スタッフとともに過ごすことになったならば、それなりの手続きが必要ということで、ミャウミャウには社員番号が発行され、顔写真入りの正社員ネームタグまで用意された。またその様子を随時同社のフェイスブックに投稿、スコット一家にミャウミャウの近況を伝えていった。

 その後ミャウミャウはスコット一家と合流、カルガリーに落ち着いた。

 

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