オンタリオ州トロントの高校教師が、インターネット上で国内産トマトを使用したケチャップを支援するだけではなく、もっと行動するよう呼びかけている。

 最近、ネット上で食品メーカー・フレンチズのケチャップがいかに地元産業に貢献しているかを知り、共感した高校教師のロバート・バジルさん。彼はそのロゴをもとに「ケチャップ・パトリオット」というTシャツまで製作、その販売で同州各地を巡り、同社のケチャップを積極的に支援している。

 同社は、2年前まで同州レミントンで操業していたケチャップ大手ハインツの工場を引き継ぐ形で、地元の雇用とトマト産業の危機を救ったのみならず、同社のケチャップの原料にこの工場のカナダ産トマト・ペーストを使用することを決定した。この経緯を発信したフェイスブックから、インターネット上ではカナダ製品の購買を盛り上げる話題が広がっていた。

 バジルさんいわく、ケチャップは物語の出発点でしかないという。それは単にハインツのケチャップを買うかフレンチズを買うかという問題ではなく、どこで作られたかを意識して物を買うという、一人ひとりの行動が、周りのカナダ人にも影響を与えていくという認識が大事なのだと指摘している。

 バジルさんの妻は、レミントンのあるエセックス地区の出身。バジルさんは結婚して妻の実家を訪れるようになってから、安定した農業や製造業が地方都市や農村にとっていかに重要なのかを知ったと語っている。

 そんなバジルさんは、オンタリオ州内で製造された「ケチャップ・パトリオット」のTシャツを着て、イースターの週末にはレミントンのファーマーズマーケットでTシャツを売っていた。しかし「ここでTシャツを売っているのではなく、自らの消費行動がいかに地元産業に影響を与えているか、そのことをより多くの人に伝えるために、ここにいるのだ」とバジルさん。

 また取材の最後に彼は、インターネット上で盛り上がるのは簡単だが、みんなが表に出て具体的な行動に出ることが大事だとも付け加えている。

 

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