ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市にある、デイブ・パシンさんが幼少時代を過ごした自宅が売却されたのは、昨年の8月のことだった。
しかし彼の元に最近、この家での侵入盗の知らせが届いた。225万ドルで買い手がついた、同市ガバメント・ロードに面するこの物件は、パシンさん一家が引っ越して以来、空き家となっている。
「電線や銅など金属類、転売できそうなものが盗まれている」と、パシンさん。盗難を目撃した近所の人が、他に知らせる先を知らないからと、彼に電話をかけてきた。
それによると、何者かが家の脇の鉄製ゲートを盗もうとしていたが、その場に居合わせた警察官は特に取り締まることもせず、犯人がゲートを持ち去るのを看過していたという。
しかしパシンさんにも何もできない。登記上では、現在の所有者は中国・成都市に住むリャンチー・チャとなっている。
その後、何件かの苦情を受け取った市は、不審者がこの家の裏庭にあるプールに侵入することを防ぐため、ゲートを塞ぐ処置をした。この家は公園とコミュニティセンターに隣接している。
パシンさんに電話連絡した隣人は、こうした海外オーナーの空き家は、コミュニティ内での侵入盗の増加を招くなど悪影響を及ぼすと、危惧している。
市は水道を止めるとともに、検査官を派遣することとした。市が何らかの対策を施すことになった場合には、その費用が固定資産税に上乗せされる。
一方、この物件の売買に携わった不動産エージェントは、中国の所有者に連絡を取り、現状を説明している。エージェントによると、所有者は物件の管理については、まったく何も行っていなかったという。そして今回はじめて、このエージェントに管理会社の選択を委任するとともに、そのままになっているプールの水も抜くとしている。
オーナーは5月には現地を訪れる予定だが、パシンさんは「家を購入するには、それなりの責任を果たすべきだ」と語っている。
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