ノバスコシア州北端のケープブレトンそばの海岸に、メッセージと遺灰の入ったボトルが流れ着いた。この付近では珍しくないことだが、メッセージにはある願いが書かれていた。

 この、375ミリリットル入りの『サウザ・ゴールド・テキーラ』のボトルを発見したのは、ケープブレトン西海岸のウェスト・マボウに住むノーマン・マクドナルドさん。4月27日に、美しい海岸で知られるウェスト・マボウ・ビーチでゴミ拾いをしていたときに拾った。

 その中には白い粉状のもの(遺灰)と、25ドル分のカナダ紙幣、そして青いインクで書かれた手紙が入っていた。それによると、遺灰の本人はゲーリー・ロバート・デュプイさん。1954年7月1日に生まれた彼は、年老いてからは世界を旅するのが夢だったと、彼の息子がつづっていた。

 メディアの電話取材に応じたマクドナルドさんが読み上げた手紙は、次のような内容だった。「父はテキーラを愛していた。もしこのボトルを手にしたなら、このお金で父とともにお酒を楽しんだ後、彼を再び海に戻してほしい。父に世界各地を旅してもらって、安らかな眠りについてもらうことが私の願いだ」

 また拾った人に、手紙の裏にその場所と、海に戻した場所を書いておいてほしいという依頼も添えられていたが、そこには最初の出発地点を含め何も記されていなかった。

 つまり、ここウェスト・マボウ・ビーチが、デュプイさんの最初の『寄港地』になったと思うと、マクドナルドさんは取材に語っている。また彼は、このボトルを送り出した人に、父親がここまで無事に旅を続けていることが伝わってほしいとも話している。

 マクドナルドさんは4月30日、地元で行われたダンスパーティーにこのボトルを持参、デュプイさんにスコットランド文化が色濃く残るケープブレトンの、夜の酒場の喧騒を楽しんでもらった。

 マクドナルドさんは地元の漁師にこのボトルを託し、沖合いで海に流してもらうつもりだ。また次の『寄港地』で、ゲーリーさんがその土地の仲間と酒と音楽を楽しめるようにと、20ドルを新たにボトルに入れることにした。

 

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