カナダ銀行は13日、金利(政策金利の翌日物金利)を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。昨年7月に同年2回目の金利引き下げを実施して以降、現行レートを維持している。

 ただ、先月から輸出や雇用などカナダ経済に明るい兆しが見え始めたにもかかわらず、カナダ銀行は経済見通しについては楽観視を避けた。

 スティーブン・ポロズ総裁はこの日の記者会見で、世界経済成長に陰りがあることやアメリカ経済見通しが思ったほど明るくなかったこと、企業投資の減少などを理由にあげ、今後のカナダ経済についても慎重な姿勢を示した。

 またこの日の発表を受け、カナダドルが対米ドルで約9カ月ぶりの高い水準まで戻した。原油価格も最安値を付けた1月から40米ドル前後まで回復している。しかしポロズ総裁は、1月に対米ドルで70米セントを下回った最安値からの急激なカナダドル回復は、天然資源産業以外の輸出産業に悪影響が出る可能性があるとして、決して歓迎する事態ではないとの認識を示した。

 2016年の経済成長予測は、1月の発表時よりも上方修正。国内総生産(GDP)は1・4パーセントから1・7パーセントに修正した。ただ、2017年は2・4パーセントから2・3パーセントに下方修正。先行きの不安定さを織り込んだ。

 カナダ銀行はカナダ経済見通しについて慎重な姿勢を示しているが、専門家は近い将来金利引き上げの可能性もあるとの見方を示している。

 

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