ノースウェスト準州のノーマンウェルズで、25年間カヌーツアー会社を経営しているアル・ペースさん。

 彼がここで会社を立ち上げるきっかけになったのは、1977年、彼がまだオンタリオ州の私立高校レークフィールド・カレッジ・スクールの生徒だった時に、ノースウェスト準州を流れるカッパーマイン川のカヌー探検に参加したことだった。

 初めてのカヌー・トリップで、すっかりそのとりこになってしまったペースさんだったが、このツアーにはイギリス王室からヨーク公アンドリュー王子も参加していた。彼は交換留学生として、レークフィールド・カレッジ・スクールに2学期だけ滞在している最中だった。

 王子は大のカヌー好きで、またカナダの文化を愛していたと、ペースさんは当時を振り返る。この時に友好を深めた二人は、その後5回にわたり、ノースウェスト準州のカヌー・トリップを行ったという。

 そんなペースさんが経営する会社カヌー・ノース・アドベンチャーに、イギリスのマルバーン・カレッジからカヌー探検の問い合わせが来た時、ペースさんはアンドリュー王子にこのことを知らせた。

 そして昨年の夏に同校の学生22人と3週間のカヌー探検を終えたペースさんのもとに、バッキンガム宮殿で行われる探検参加者の同窓会に出席してほしいとの招待状が、アンドリュー王子から届けられた。

 ペースさんとマルバーン・カレッジの学生は先月、バッキンガム宮殿に出向き昨夏のカヌー探検の写真をアンドリュー王子に披露した。王子は学生のプレゼンテーションをとても興味深く見入っていたと、ペースさんはその時の様子を取材に話している。またペースさんと王子が最初にカヌー探検をした1970年代のカヌー装備と、学生たちが持っていた現代のハイテク・ギアを見比べ、自分たちはまるで歴史上の探検家のようだったと語り合っていたという。

 1977年のカヌー探検から40年となる来年、ペースさんはその時のメンバーに声をかけ、同窓会カヌーツアーを行おうと企画している。もちろんアンドリュー王子も含めてだ。普段は公務に忙しい王子にとって、こうした外界と切り離される機会は貴重なものになるはずだと、ペースさんは話している。

 

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