ケベック州フィリペ・クイラード州首相は2日、バンクーバーでオンタリオ州キャサリン・ウィン州首相との合同記者会見に臨み、ケベック州でのエナジーイースト・パイプライン建設計画について語った。

 ケベック州政府は、同パイプライン建設を計画しているトランスカナダ社に対して訴訟を起こしている。パイプラインは、アルバータ州のオイルサンドを東海岸のニューブランスウィック州まで運び、一部は精製所へ、残りはそこから海外市場へと運ばれる。そのパイプラインはすでに存在しているパイプラインを使用する計画だが、ケベック州を通る部分は新設される。

 これに対してケベック州政府は、人口密集地や多くの河川を通る計画のパイプライン建設に簡単には賛成できない、同社はケベック州の環境条件を満たす必要があると主張している。

 アルバータ州のオイルサンドをブリティッシュ・コロンビア州北西部海岸からアジア市場へと運ぶノーザンゲート・パイプライン計画については、自由党は選挙前から反対の立場を示していた。

 しかし、オイルサンドを運ぶパイプライン建設計画については、自由党政権は基本的には必要であるとの立場をとっている。この日バンクーバーで記者会見を行ったジャスティン・トルドー首相は、パイプラインも再生可能エネルギーもカナダ経済には両方必要との立場を示した。

 総費用157億ドルのエナジーイースト計画は、連邦政府に決定権があり、連邦政府とカナダエネルギー委員会が承認すれば、トランスカナダ社は2018年には着工、2020年には完成し、一日110万バレルを運ぶことになる。

 3日に世論調査会社アンガスリードが発表した結果によると、同計画には国民の64パーセントが賛成を示している。アルバータ、サスカチワン州では87パーセントと高く、ケベック州では48パーセントとなっている。

 8日にはケベック州でトランスカナダ社の説明会前に反対派が押し寄せ、説明会を妨害しようという行為に出た。クイラード州首相は、少なくとも説明を聞く必要はあると賛否両州民に冷静になるよう促している。

 

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